ドレンによる故障について


エアーツールの作動不良で最も多い原因は?

  • 「エアーツールが動かなくなった」といったとき、最も多い原因は圧縮空気に含まれる 水分によるエアーツール内部の錆です。
  • 通常空気内には水分が含まれています。空気中に含まれる最大水蒸気量を飽和水蒸気量と いい、温度、 圧力によって変化します。
  • エアーツールは圧縮空気を利用する為、コンプレッサーが必要になります。空気を圧縮 する際には飽和水蒸気量が 減少します。このためコンプレッサー内に水分が生じます (これをドレン水とよびます)。
  • この水が圧縮空気とともにエアーツール内に入り、 部品を腐食させます。

  • 上記の写真はドレンにより腐食したエアーツールの部品(ロータ)です。このような状況になりますとエアーツールは作動しません。新品の状態でも大量のドレンが入り込むと1週間以内で動かなくなる事もあります。エアーツールを使用する際には、ドレンに充分注意して下さい。ドレンを除去する方法として
  • ① コンプレッサーにドライヤを設置する。
    (コンプレッサーにドライヤが内蔵されているタイプが現在主流です。)
  • ② 配管途中にエアーフィルターを設置する。
  • ③ エアーツール使用前後に、タービン油を空気注入口より1,2滴注入する。
  • があります。上記項目を徹底するだけで、エアーツールの作動不良は格段に減少すると思われます。(ドレンを除去しないとコンプレッサー本体の寿命にも影響します)
  • 上記の様に部品が腐食した場合は、メーカーに返品して頂くか、お近くの修理専門店にご依頼頂きますと、腐食を取り除き、修理致します。但しこの場合は分解調整費等の費用が発生致します。
  • また、内部の錆にはドレン以外にも原因がある場合がございます。
    飽和水蒸気量は温度によっても変化します。温度が下がると減少する為、配管が長い場合などは、コンプレッサー内部よりもエアーの温度が下がっている場合が多い為、配管内で水滴が生じてしまいます。この場合は配管の腐食にもつながる為、配管に勾配をつけ、ドレンを一定箇所に貯まる様に工夫し、また、ドレン抜きを行ってください。エアーフィルターを設置するのが最も良い方法となります。
  • エアーツールをご使用にあたって、水分を限りなくエアーツール本体に入らない様注意して頂きたいと思います。コンプレッサー、配管、エアーツール本体とも、寿命が格段に延び、環境にも優しくなります。